都営5300形
都営5300形は、それまで活躍していた5000形の置き換え目的で1990年より製造されたもので、全部で27本が出揃い、これをもって浅草線車両の冷房化が完了しました。車両の設計こそ同じですが、製造やモーターのメーカーが多岐に渡ったため、全部で7次車までのグループに分類されました。「白い悪魔」といえば、これを思い浮かべる方も多いことでしょう。
竣工にあたり、これまでの旧型車両5000系列から大幅なイメージアップが図られ、21世紀に備え「都会的センスあふれる斬新なデザイン、明るくさわやかな車内、サービス向上で利用しやすい車両、新技術の採用によるメンテナンスフリー化」をコンセプトに、その当時の新技術が色々な部分で盛り込まれました。具体例として車内にLED案内表示機とマップ式案内表示機(但しこれは1998年に撤去)を設け、モーターにGTO式のVVVFインバーター制御の採用、前述通り冷房装備の設置などがあげられます。全体的に浅草を調和したデザインになっており、化粧版やカーテン、座席の色合いが相まって明るいイメージとなりました。
大きく言うと、1次車から4次車までがスカートが短め。5次車から7次車まではスカートを長めに変更。さらに、1次車は当時、都営の銀杏マークは前面ガラスの助手側上、および側面の上部に貼付されていました。また、車椅子スペースは先頭車ではなく、4号車と5号車に位置されていました(のちに先頭車にも追加)。また、最高速度は120km/hなものの性能面で高速運転は見送られましたが、最後の7次車はその120km/hに対応可能で、出力も一回り上回っていました。それもあり、7次車のみ稼働音のボリュームが一際響いていました。
運用も都営浅草線や北総線内全線はもちろんのこと、京急線内も大師線と堀ノ内ー浦賀間以外全ての区間、京成線も押上ー本線ー成田空港・東成田間だけでなく、一時期は京成上野にも乗り入れていました。
2023年を以て、全車両が運用を離脱。さよなら運転は行われませんでしたが、現在は都営地下鉄公式のYoutueチャンネルで5300形の経緯動画を視聴できます。
4次車、この編成までがスカート短め。
この編成よりスカートが長くなります。