都営10-300形
都営10−300形は、2005年より、10−000形を置き換えるために製造された軽量ステンレスの車両で、現在の都営新宿線を走る唯一の自社車両です。段階的に既存車の置き換えが行われたため、長期間にわたって製造され、現在までに6次車までが在籍しています。いずれもJR東日本の車両をベースとし、1、2次車はE231系、3~6次車はE233系をそれに竣工されました。1、2次車には側面窓下に太いラインカラーの黄緑と紺色の帯が巻かれ、3次車以降は扉上部に太い黄緑帯が巻かれたのに対し、窓下には細い紺色帯が巻かれています。
はじめに1次車の8両編成12本が製造され、結果的に10−300R形と合わせてそれまでの10−000形セミステンレス車こと試作車、1〜2次車を一掃。その後、新宿線の10連化を推進すべく、1次車のうち最後の4編成に中間車の2次車を1編成に2両ずつ増結し、その4編成を10連としました。本来は1次車全編成を10両にする予定でしたが、予想以上に改造の費用が嵩んだために4編成分で打ち切りにされたのです。
2013年になると残っていた10−000形と、10−300R形の置き換えが再度始まり、3次車以降の編成が順次デビュー。これより10両編成で竣工され、それまでの8両編成から10両編成に更新されてゆきます。のち、4、5次車まで増備が進み、10−000形と10−300R形が全廃されました。
以上、電機子チョッパ車が消滅し、VVVF車に統一されてもなお、10連の増備が再開。それまで残っていた1次車の8両編成を今度は6次車で置き換えました。よって、同じ形式同士で置き換えが行われたという事です。
現在では全て10両編成で在籍し、うち4本が前述の1次車タイプ、あとは全て3次車以降のE233系ベースの陣容です。
現在は最古の編成となった450F。1次車はこれを含め、4本しか見られなくなりました。また中間の2次車は、内装等の細かい部分で1次車と違いがあります。
3次車は、登場時は客用扉には帯がありませんでしたが、のちに巻かれています。またこの3次車では前面の銀杏マークが白色ですが、4次車以降は緑色です。